|
個人の力量に左右され、できる人間とできない人間がはっきりしていた。また営業をやりたいという人間は少なかった。
就職情報誌などを読んでいただければわかりますが、営業職の募集にかなりのページが割かれています。これはどういうことかというと営業マンを募集しても人は簡単に集まらないし、また入社してもその会社に定着する人が少ないということなのです。それほどまでにも営業職というのは人気のない職業なのです。
それはどういった理由から、人気がなかったのでしょうか?ひとつには、営業は習熟していく技能というよりも、センスを問われていることがあげられます。トレーニングによって、できない営業マンをできる営業マンにするということは難しいと考えられているからです。
|
もしあなたがマーケティングについて学びたかったら、本屋で10冊ほどマーケティングの本を買って読んでみてください。きっとマーケティングのアウトラインをつかむことはできるでしょう。しかし営業はそうではありません。もしあなたが営業について本を10冊程度本を買って読んでみたとしても、さっぱりわけがわからないと思います。
「なんだ、結局は精神論か?」
「あんたはそれでうまくいったけれど、それは一般化できるのか」
「そんなにうまくいくのか?」
なんて感じると思います。
新しく営業を学ぼうと思うと、大体においてここのところで躓きます。今までの本では営業という仕事があまりにも抽象的過ぎて、とらえどころがなかったからです。
それでは営業のテクニックというのは誰かに伝えることは難しいものかといえば、そうではないと私は思います。ただ今までは営業とマーケティングを同レベルで語った人がいなかっただけのことです。営業もマーケティングを絡めて考えるとそこまで伝達の難しいものではありません。それのカギがターゲット(客)の選定です。
|
営業マネージャーなどは客層をこのように設定している人がいます。しかしこれはマネージャーのスキルのひとつとして、部下を鼓舞しようとしていると考えたほうが懸命です。あるいは、無能か・・・。そして以下のような話をするかもしれません。
「いやだ、いやだ」といっているやつも結局は買うんだ。過去にこういった経験を俺はした。(中略)だからどんな人でも買うんだ。
つまりこれはどういうことかといえば、すべての人は客になりうる、だから売れないのであれば、おまえが悪いんだということなのです。客がいるのに契約ができないのは営業力がないからだということなのです。
|
さっきの話に基づいて考えてみると、すべての人が客であるのならば、この中で多くの数の契約をしようとすると早い時期に有望な見込み客を見つける必要があります。そして同様に買わないと思われる客を早めに切り捨てる必要があります。それが営業職としての効率を考えた行動です。そうすると結局はすべての人が客であるといいつつも、営業サイドとしてお客様を選別していることになるのです。すべての人が客だと考えてしまうのは、マーケティング戦略の失敗につながります。
|
ターゲットを絞るということはどういった層に対して売り込むのかという目標の決定です。そしてこのマーケティング戦略が決定したのであれば、次は戦術として営業手法を決定すればいいのです。
|
1. 営業トークが確定する
ある層を契約に結びつけるためにと考えると、おのずとトークはひとつのものに集積する傾向になります。
2. 営業作業のルーチン化 ができる
ある層をターゲットにしたトークが確定すると、それに付随した営業作業も収束いたします。そしてそうなれば営業としての仕事は非常にシンプルです。どの段階でどういうトークをし、どういう展開に持っていくのかがほぼ決まっているわけですから。こういうのが売れる仕組みと言えるでしょう。
3. 効果がはかれる
同じトーク、同じ手順で営業をしているためにその方法が正しいのか間違っているのかが測定できます。
4. 営業マニュアルの作成が容易になる
以上のようなステップを踏めば、営業のスタイルが確立いたします。そうすれば、それをマニュアル化でき、すなわちそれは熟練した営業マンを必要としないということになるのです。それにより
5. 営業マンの育成が簡単になる
そしてこの効果により営業マンの人件費の削減が可能になります。
|
|
|
|